謎のおやじ

いつだったか、諏訪湖１周歩いた時に出会っていた。
その身なりはというと、
小汚いタオルターバン風に、紺色の汚れたズボン
黒の泥まみれの長靴。
半袖のＵネックの汗染み染み付いた肌着。
手には、車輪が泥まみれの一輪車。
荷台部分には、乾燥された草をてんこ盛り。
湖畔公園には、ありえないいでたちで、うろついていた。
その視線の先には……

身体が、ちょっぴり黄ばんだ毛玉のような、
顔が、黒くて、耳が立っていて、
４つ足で、毛玉から伸びている足は、真っ黒で。
ぬあんと、それは羊
羊が、３匹　モニュメントのように。
よ～くできてるなあって思っていたら…。
もっさりと、動き始め、寄り添ってシットした。

生きてるよ～って、目がテン状態になっていたら、
謎のおやじが、一輪車上の干草を羊の前に。
飼ってんだぁ～って、
飼われてんだぁ～っ、どこで？って。

その謎のおやじに、また今日出会った。
あん時とおんなじいでたちで、
干草を乗せた一輪車を押して。
走行している車なんぞ、アウト　オブ　ザ眼中で横断しており。
その後ろには…。
「…いたっ」
その羊も、車なんぞは、アウト　オブ　ザ眼中でして。
もっさ、もっさと道路を横断しているではないか、
ノーリードで。
はたして、どこからやって来て、どこに行って、
どうするんだろう、どうしたいんだろうっ？
この謎のおやじは、一体なんなんだろう？
羊のお散歩って、こんなん？　　　（姫子）